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2108:シャープ、若手社員の離職が止まらない カンパニー制導入も不安の船出

2015/10/03 (Sat) 01:36
経営再建中のシャープは1日、社内を事業ごとに分けるカンパニー制を導入した。家具量販大手ニトリへの売却が決まった本社(大阪市阿倍野区)では平成27年度下半期の目標に関する社員向け説明会が開かれ、高橋興三社長が「経営のスピードを高め、収益基盤の強化を図る」とカンパニー制の効果を強調し、「何としても立ち直らせる」と決意を述べた。シャープは9月末に3200人以上が希望退職したうえ、若手社員の離職が止まらない。株価は年初来最安値を記録するなど不安定な状況が続く。不安を抱えたままの船出となった。(織田淳嗣)

 「再成長軌道に乗せられず、3200名を超える方の希望退職を募集せざるを得なかったことに、改めておわび申し上げる」

 高橋社長は4階集会室に集まった社員約640人に謝罪した。説明会は、全国各地の拠点と時差の少ない海外拠点にも中継され、録画で全社員が見られるようにもした。

 高橋社長は「就任以来、過去の破壊に注力したことは私の大きな反省」と、社内改革をめぐる自らの責任に言及。上司に過度に気をつかうシャープ独特の風土の改革に取り組む一方で、市場変動の激しい液晶依存の収益体質に着手せず、今年に入って経営危機を再燃させた。新しいビジネスの芽も育っていない。

 社長が社員の前で直接語りかけるのは、1月5日の年初の方針説明会以来9カ月ぶり。中期経営計画を発表した5月の記者会見は、社員向けに映像が中継されたが、中継会場では内容に失望して途中で席を立つ社員も目立った。50分に及んだ今回の説明会では途中退席はなく、「社長の声の張りも良く、ここが正念場という覚悟がうかがえた」(40代社員)と、評価する声も聞かれた。

 ただ、シャープは依然厳しい状況にある。

 経営危機が再燃した今年1月以降、若手を中心に退職が相次ぐ。今春に退職した20代の元社員は「具体的な成長戦略がなく、会社の未来が見えなかった」と語った。9月末の希望退職では3200人以上が退職。「前回(24年)の希望退職とは異なり、『なぜ彼が』というほどの有能な人材がやめていった」(40代社員)といい、人材流出は深刻だ。シャープに対する不安は内外に根強く、今後顧客の開拓だけでなく、社員のつなぎ止めも重要だ。

 すでに27年9月中間連結決算は、営業損益が赤字に転落する見通しで、東京株式市場でシャープの株価は9月30日、一時前日比7円安の132円まで下げ、年初来安値を更新した。翌10月1日は終値140円(前日137円)まで戻したが、依然低迷が続く。懸案の液晶事業の分社化も年内決着を図るが、交渉は予断を許さない状況にある。

 ある50代社員は「とにかく前を向いてやるしかない」と言葉少なに話した。
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